イトリゾールは、真菌の増殖を抑えるトリアゾール系抗真菌剤で、主に内臓真菌症や皮膚真菌症などに効果があるとしてカンジダ治療や、水虫などの治療に効果が高いと重宝されています。

イトラコナゾールによるイトリゾール・パルス療法の効果

真菌というのはカビのなかまですが、実は人間の体内にも住み着いて病気をもたらすことがあり、白癬菌による水虫(白癬症)などはその例といえます。
手足の皮膚や指の間、爪の間などに発症する白癬症、なかでも皮膚が角質化した部分に生じたものについては、たとえ医薬品を投与したとしても、なかなかその成分が行き渡らず、これまでは例えば爪の生え変わりサイクルにあわせて長期的な投与が必要であるなど、十分に効果的な治療が難しいものでした。
その後、イトラコナゾールという有効成分を含む経口医薬品などが登場するようになると、水虫の治療法は一変しますが、これはイトラコナゾールが角質との親和性が高い医薬品であり、いったん服用すれば爪の間などに長くその成分が滞在して、水虫治療の効果を継続的に発揮することによるものです。
この性質を応用したのがイトリゾール・パルス療法とよばれるもので、イトラコナゾール入りの錠剤を、服薬期間、休止期間の組み合わせの1つのサイクルとして、これを繰り返しながら投与することで、休止期間があってもたしかな治療効果を発揮するというものです。
イトリゾール・パルス療法では、最初の1週間はイトラコナゾールの錠剤を有効成分の量にして1日400ミリグラム服用し、その後3週間投与を休止するのが1サイクルで、このサイクルを3回、服薬期間として21日間分を繰り返します。
また、1回あたりのイトラコナゾールの標準的な投与量が200ミリグラムであったことから、わが国では1日200ミリグラムとした低用量のイトリゾール・パルス療法が使われることもあります。
イトラコナゾールは医薬品である以上、吐き気や嘔吐、下痢などの胃腸症状、だるさや黄疸などの肝臓の重い症状といった副作用の懸念もありますが、イトリゾール・パルス療法であれば、投薬期間を最低限に抑えられることから、副作用の防止といった効果のほうも期待できます。